「街を潤すような庭にしましょう」・・・荻野さんがいつも大切にされている言葉です。
家に住まう施主が気に入ればそれでいいのではなく「住宅は街を形づくる大きな要素であり、近隣の人々にとっても癒しになるような庭を創ること」を理想としている荻野さんらしい言葉でもあります。
庭を創るとき、荻野さんはあらゆる角度から住宅を見ることができるように家の内外を歩き回ります。
当初、意図していないような場所に「ここにも植栽を施しましょう」と言われて驚くこともしばしばですが、その意図を聞いてみると実に論理的で納得させられてしまうのです。それもすべてが「街に愛され、街を癒すような住宅・庭を創りたい」という基本から出ているからでしょう。
荻野さんに仕事をお願いすることは刺激的な創造の場に身を置くことでもあり、建築家にとっても良い意味で緊張感を持たせてくれる・・・そんな稀有な存在です。
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【景観デザインの匠 荻野 寿也さん】植栽のマジシャン!豊富な経験と斬新な提案|プロからの信頼も厚い 景観デザイナー
荻野さんの景観デザインは「設計されたことがわからないほど自然に、まるでずっと以前からそこにあったかのような佇まいを見せる植栽の中に、建築物が静かに舞い降りて調和している・・・」そんな景観を演出することを理想としています。
日本の文化は「引き算」にあると言われます。
例えば料理にしても、素材本来の旨さを引き出そうとするのが和食の基本。
できる限りその地で採れた新鮮な食材を使って、素材を味わう妨げになる苦味や臭みなどを取り除きます。調味料を使う(足し算する)場合でも、素材本来の旨みを引き出す目的で使われることが多いのが和食の特徴です。
余計なものをそぎ落として、素材が持つ本質的な魅力に迫ろうとする姿勢。
景観デザイナー・荻野寿也さんの仕事にも、こうした日本の美学が息づいています。
以前からそこに存在していたかのような景観を
荻野さんが景観設計を行う際には、住宅近辺の樹木や地形などを徹底的に観察・調査します。
地域の土壌に合った樹木を選定し、地形や太陽の方角・風の通り方などを考慮した上で、その場所に最適な植栽や外構を選ぶためです。
その上で「誰が、いつ、どんな場所から見るのか」を想定して、最も美しくかつ自然に見えるように建築家や施主と入念な打ち合わせを重ねるのです。
また、荻野さんはよく「椅子を庭の方に向けてみませんか」という提案をします。およそ大半の家庭で、リビングのソファはテレビの方向を向いて置かれているのではないでしょうか。
でも、せっかく作った庭を背にして座るなんて実にもったいない!
忙しい日常を癒す役割を果たすリビングスペースだからこそ「季節の移ろいや昼夜で変わる光の強弱・風の有無などによって微妙に表情を変える緑の植栽を眺めることで、心が豊かになるのを感じてほしいのです(荻野氏)」
住宅は地域のものでもあるという思想
荻野さんの景観デザインは、施主の住宅だけを考えるのではなく周辺との調和やコミュニケーションにまで心を配ります。
住宅地においては一軒一軒の家こそが地域の景観をかたち作っている。だからこそ、住宅や植栽を設計する場合に「この家もまた地域の景観を構成する重要な要素になるのだ、という気遣いを持っていたい」と荻野さんは考えています。
造園ではなく「景観デザイン」と名乗っているのもそうした思想の表れ。
こうしたシナジーが地域のコミュニケーションをも暖かく変えていく・・・
そんな景観デザインを届けるのが荻野さんの仕事なのです。
私が推薦します
彦根建築設計事務所
建築家 彦根明