プロの住宅レシピ 何度も訪れたくなる!宿のような畳リビングのある住まい
田辺 弘幸
旅行好きなお施主が理想としたのは、何度も訪れたくなる畳のお宿のような住まい。駅から徒歩5分の立地にありながら、自然を感じられる開放的な空間を実現しました。
設計のポイントは、見せたい部分と隠したい部分のメリハリをつけること。ダイナミックに開く窓と居場所となる壁を組み合わせることで、周囲の自然を取り込みながら、落ち着ける空間を確保。駅近にも関わらず、まるで別荘地にいるかのような心地よさです。
LDKにはスキップフロアを取り入れることで、畳リビングの高さを調整。座って過ごす畳リビングを高い位置に、椅子で過ごすダイニングを低い位置に設けることで目線が合い、コミュニケーションが取りやすく、空間が分断されないよう配慮しています。
さらに、地元の紀州材を柱や梁に使用し、奥様のご実家が産地の大谷石も部分的に取り入れるなど、素材選びも大切にしました。
室内の一部のように感じられるテラスには、外の緑に寄り添うよう半階上げ、室内外で緑が楽しめる工夫を取り入れました。天井がリビングから外までつながるように設計をすることで、開放感を一層引き立てます。
Photo : 柏原誉