プロの住宅レシピ 多様な空間体験ができるリビング
原山 大 / 村上 芙美子
新型コロナウイルスとウッドショックの最中に計画された2世帯住宅です。
新たな土地に移り住む家族が周囲との関係を育めること、また高騰する材料費に対応するため、コンパクトでありながらも豊かな空間の広がりを感じられる住まいを目指しました。
子世帯のLDKでは、玄関からつながる階段室を挟み込むように、間口の狭い箱型の空間と、切妻屋根のかかる小屋で構成しています。
箱型の空間は洞窟のように落ち着ける空間、一方の小屋側は明るく開放的で広々とした空間と、異なる性格の2つの空間を設けました。これにより、1つの家でさまざまな空間体験ができます。
さらに、住宅全体をぐるりと回れるようなブリッジを掛け、回遊性を持たせることで、子どもたちが家の中をぐるぐる走り回れるので、狭さを感じさせません。
また、タイルカーペットや手すりなどの色のアクセントや、開口部やガラスのデザインが住まいに遊び心をプラスし、視覚的にも楽しさを感じる設計となっています。
子育て中ということで、収納がたくさん欲しいというご要望にも応え、床を上げた浮床を採用し、床下に大容量の収納スペースを設けました。子育て期に必要な収納量を確保しながらも、広々とした住まいが実現しました。
Photo : YASHIRO PHOTO OFFICE