プロの住宅レシピ こだわりの素材が暮らしに溶け込む。狭小変形地でも自然と心地よく暮らす
竹内柾人
背面には山が佇み、目の前には共用道路があるという狭小変形地に佇む住まい。ここには、家族が自然を感じながら、心地よく暮らす住まいがあります。
「縁側でざるそばを食べてみたい」というご夫婦の要望に応えて、南側を向く外部空間に縁側を配置。家族のイメージに合わせて、古民家に使われていた梁や頼もしい八寸の大黒柱、墨色の土壁など、自然の素材を採用しました。
家の中央に配置された大黒柱が、それぞれの空間にほどよい距離感を与えます。薪ストーブの煙突は、1階から2階へと真っ直ぐ立ち上げ、余熱を有効利用してます。玄関のあがり框には、古民家に使われていた古材を取り入れたことで、空間に深みをもたらします。
子供たちが自由に過ごす2階のスペースには、横長に窓を切り出した窓から背面に広がる自然の景色を眺めることができます。
自然素材を用いるからこそ、その経年変化を愛でることができる。家族の成長と自然の変化を見守る住まいが完成しました。