プロの住宅レシピ 近隣とゆるやかにつながる住まい

空間研究所
篠原聡子

【ゴカク軒】施主家族が何度も訪れ、地域の人々とも親しくなった場所に建てられた別荘。

【ゴカク軒】近くの清流で釣った鮎を囲炉裏で料理しながら語らうことのできる和室、開放感溢れるリビングダイニングが外と内をゆるやかにつないでいます。

【根津の家】外観からは想像できないが、1階にはギャラリースペースがあり、 アロマ好きの奥様のイベントスペースなどで活躍しています。 2階以上には家族のプライベートスペースがしっかりと確保されています。

【K-HOUSE】音楽好きの一家の1階は、ミニコンサートもできる小さなステージ仕様。 集まった人々が交流できる場になっています。

【K-HOUSE】2階以上には家族のプライベートスペースがしっかりと確保されています。

住宅という建物の存在が地域の環境を創り、地域の環境によって個々の住宅もまた生かされています。
だからこそ住宅がプライバシーを守る砦のような存在になるのではなく、地域に対してゆるやかにつながる、包摂性を持った住まいにしたいと考えています。

かつて日本の住まいには縁側があって、近所の人たちが気軽に集まり、お茶やお菓子を楽しみながら会話が弾む空間がありました。

現代の住宅においても縁側に代わる存在を設えながらも、外に開放するだけでなく、住まい手が独りになることができる「閉じられた場所」もしっかりと確保する。

家族一人一人が求めるものや将来のことまで考えながら、外に開かれた場所と閉じた場所にどうメリハリをつけていくか。

それが住宅設計の要諦だと考えています。



PHOTOGRAPH Ryota Atarashi

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