プロの住宅レシピ 中庭が陰影を生み出す。古民家の雰囲気を残すリノベーション
永峰昌治
畑に囲まれた峠の麓に建つ古民家をリノベーションしたこの住まいには、夫婦が暮らしています。
日本庭園に面する南側の和室は明るく開放的であるのに対して、閉ざした印象だった北側のダイニングスペースは、北西の一部をえぐるように減築し中庭をつくりました。そうすることで、光が取り込めるようになり、昔の町屋のような中庭が完成。また和室との壁を取り除くことで、開放的な空間に。また柱や壁、古民家の素材を残せるものはそのままにし、素材や色みを異なるものを新しく用いることで、空間に陰影が生まれ、当時の面影を残す深みのある空間が誕生しました。
古民家の雰囲気をそのままに、庭を愛で趣味を楽しむことができる、新しい住み手が心地よく暮らす空間が誕生しました。