プロの住宅レシピ カフェのような空間、「暮らしの中心」のキッチン
神子島 肇
「キッチンで暮らす」という発想が生む、自由で豊かな空間。
夫婦一緒に料理をしたり、たくさんの友人を招いて食事をすることが好きなお施主様の住まいは、「キッチンで暮らす」という発想のもと、「食」を中心に豊かな時間を育める住まいになるよう設計しました。
住宅のキッチンというよりも、お店のキッチンを延長させたようなイメージで提案。キッチン背面に敷き詰めたハンドメイドスタイルのタイルは、コンクリートや鉄筋が持つ無機質な印象を和らげ、温かみのある雰囲気を演出しています。本物の素材を厳選し、限られた素材を丁寧に使うことで、住まい全体に上品さを与えています。
また、キッチン、ダイニング、リビングといった従来の空間の概念を超え、一体感がありながらも自由に過ごせる設計が特徴です。例えば、リビングとダイニングの段差を40センチに設定することで、椅子やテーブルのようにも使えるようにしました。また、階段の1段目を大きく作ることで、ソファーのようにも使えるデザインに仕上げています。
料理をするためだけの場所ではなく、カフェのようにくつろげる住まいを目指しました。