プロの住宅レシピ 1つのお家に3つの生活。つながりと隔たりを大切にした住まい

AtelierODK
小高由紀子

1Fのリビングはこの家で暮らす全員が共有するスペース。

B1Fには打ち合わせや趣味の音楽活動に使えるホールが。

3Fのダイニング。窓際は椅子になっていて大人数で空間を囲むことができます。

障子

3Fダイニング横の和室スペース。

2Fから3Fに上がる階段の途中にある子供部屋。スペースを有効活用しています。

ご夫婦+お子様一人、妻の母、夫の父という少々稀な組み合わせの三世帯住宅です。

各々の訪問者ごとに使い分けられるよう、玄関もそれぞれ3つ。
B1F+地上2Fの3階建ての家でフロア毎に分かれて暮らしながらも、世帯ごとの生活はしっかりと区切り、かつお互いの気配を感じ取れるようにも工夫がなされています。

3世帯全員が共有するスペースが、1Fのリビングです。このリビングの横にはキッチンがありますが、オープンキッチンにしなかったのは共有部だからこそ。
空間を共にしながらも程よい距離を保てるように考えられています。家族といえども、視線を気にせずに過ごせる空間のほうが快適であるとの考えから、どの部屋も壁がまっすぐのパッと開けた空間ではなく、少しズレを生じさせています。部屋の中に空間の起伏があり、「自分の視界から人が見えなくなる場所があることで一種の解放感が得られる」というのには納得しかありません。
別々の歴史を持った人が共存する家ならではの配慮が生んだ家づくりです。

逆にフロアが離れていても視線と気配をつなぐ工夫も。夫婦の仕事部屋でもあるB1Fの明かりが上階からでも見えるように、1Fのリビングにフィックス窓をつけています。子育て時期はリビングでお祖母様と過ごしているお子様が、母を探してよくそこを覗き込んで、小さなガラス窓越しにコミュニケーションをとっていたという、思い出の詰まった心温まるアイデアです。

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採用されている製品

工芸和紙|ワーロンシート
株式会社ワーロン 
AtelierODK
小高由紀子
ここが私の評価ポイント!
障子として普通に使っています。洋室に意外にしっくりきます。我が家では間仕切り用とブラインド代わりに使いました。
日光や照明の明かりがほんのり入る様は何とも豊かな気持ちになります。
障子紙と同じように使えますがとても丈夫です。娘が保育園のころはここでみんなで遊んでいましたが破れることは一切ありませんでした。
色や柄も多数あるうえ防火認定もとれているものもあるので今後とも障子以外の仕様としても、採用していきたいと思っております。
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小高由紀子

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