プロの住宅レシピ 光・仕切り・素材のバランスでつくる、心に余裕を生む住まい

室宏アトリエ
室 宏

様々な種類の自然木材を用いたリビング空間。

壁は天井まで設けず、ボックスを置くような設計へ。

天井上の三角窓から光を広く取り入れる。

玄関の目隠し壁。アールのデザインにすることで、奥の気配を感じられる。

テレビ裏はクローゼットの代わりに。半透明のポリカーボネートから透けて見える洋服の色は、インテリアの一部としてとして考えている。

こちらの住まいは、南側に隣接する住宅が1メートル程高い位置に建っており、プライバシーが確保しづらい環境の中、どのように光を取り込み、開放的のある住まいを作るかが課題となりました。
そこで南側の壁の天井部に三角窓を設け、室内の壁は天井まで作らず、ボックス型の部屋を置くように設計することで、天井部に光の通り道ができ、隣家の目線を避けながら、南側からの光を住まい全体に届けます。
さらに、テレビの背面などに設けた仕切り壁には、ポリカーボネートという半透明で柔軟性のある素材の採用により、壁を通して光が広がります。
玄関の仕切り壁はR型のデザインにすることで、目隠しをしながらも圧迫感のないザインに。曲線が生む柔らかい表情は、住まいのアクセントとなりました。

また、木の素材の組み合わせにもこだわっています。
片付けがあまり得意でない人にとっては、整然とした空間は少しプレッシャーになります。そこで、ラワン合板や杉板など、さまざまな自然素材を散りばめるように取り入れることで、多少の散らかりも許容する空間となり、住まい手も日々の暮らしに心の余裕が持てます。
光の取り込み方や仕切りの工夫、そして自然素材のバランスによって、日常の暮らしを快適にしています。

Photo : YASHIRO PHOTO OFFICE

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