プロの住宅レシピ 「無機質×自然素材」がつくる、拠り所となるキッチン

村上 太一
この住まいはキッチンを中心とした家づくりをしています。
玄関を開けると目に入るキッチンは、リビングや二階の空間とも緩やかにつながり、庭の緑を眺められる位置に設計しています。
住まいの中心にはコンクリートのキッチンが据えられています。シンプルな塊として見せるため、極力凹凸をなくし、装飾を抑えたデザインに仕上げています。
キッチン収納では、「既製品の引き出しラックを使いたい」というご希望から、背面収納も既製品の収納棚を組み込むことを前提に、シンプルな設計としました。
LDKの空間では木など自然素材を多用しています。木の軽やかさと温かみでキッチンを包み込むことで、コンクリートの無機質な質感との対比が生まれ、キッチンの重厚感が際立ちます。空間の「要」としての存在感を放ち、家族の拠り所となっています。
キッチン前の階段の手すりは、段板からそのまま伸びるデザインで造作しました。角を作らず丸みを持たせたデザインで空間の優しい雰囲気をさらに引き立てます。
赤ちゃんがいるご家族ということもあり、できるだけ自然素材を取り入れた優しい空間づくりを意識しています。