プロの住宅レシピ シンプルに心地よく、1200万円で叶えた住まい

後藤耕太建築工房
後藤 耕太

生活空間を集約した2階LDKは、杉の柔らかなさと温かさに包まれている。

勾配天井を採用したことで、面積以上の開放感を感じる。

シンメトリーにすることでコストダウンを図りながら、整った美しさをつくる設計。

中央に設けた階段室には壁を持たず、抜け感と空間の広がりをつくる。

建築費が高騰するなか、1200万円程という限られた予算で人とペットにとってどこまで「快適な住まい」がつくれるのか…。このテーマに真正面から向き合い、コストを抑えながらも心地よさを大切にした住まいを設計しました。

大切にしたのは「コストをかけるべきところにはかけ、それ以外はとことん引き算する」という考え方。たとえば断熱性能はしっかり確保し、居住空間の快適性はキープ。一方で構造やプランは極力シンプルにし、無駄な工事や複雑な納まりを避けました。
その工夫のひとつが、1階の天井と2階の床を兼ねた“踏天井”の採用です。36ミリ厚の無垢杉材を1枚貼るだけで床と天井の両方を構成。コストを削減しながらも、杉の柔らかな踏み心地と、見上げたときの温かみのある表情が、居心地のよさをつくります。
また、壁仕上げにはシナ合板をそのまま見せるデザインとし、梁や柱などの構造材もあえて現しで仕上げました。手を加えすぎず、素材そのものの美しさを活かすことで、どこか懐かしさのある落ち着いた空間に仕上がっています。
間取りも無駄を削ぎ落とし、できるだけ空間が一体となるように設計。リビングとダイニングは一室空間とし、中央に設けた階段室も壁で仕切らず、空間の広がりを大切にしています。合理性を追求してシンメトリーなデザインとした結果、整った美しさが生まれました。 2階に生活空間を集約し、構造に無理をかけないよう、1階には1820mmピッチで柱を配置。構造材を小径化することで、さらなるコストダウンを図っています。

コストダウンだけでなく、快適性・機能性・美しさを兼ね備えた住まいが完成しました。

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