プロの住宅レシピ やさしい光が漂う「図書室のような食堂」をもつLDK

森 孝行
この住まいは、本やアートが好きなご主人のためにディスプレイする場所も兼ねた、奥行きが深く大きな本棚のある食堂が特徴です。食堂全体がまるで図書室のような雰囲気となっています。
また、食堂の床は一段掘り下げてタイル張りにすることで、多目的に使えるようなデザインとしました。二世帯住宅ということもあり、親族が集まる場として、パブリックな使い方もできるように設計しています。床暖房も備えているため、冬場も快適に過ごせます。
食堂に隣接するリビングは、ほどよく囲まれた落ち着いた雰囲気が魅力です。
開口部には、床から少し上げた位置に窓を設け、採光のためだけでなく、窓辺自体が居場所となるようにデザインしています。
網戸の代わりに採用した、折り込んだ和紙を張った「障子網戸」からは、柔らかな質感の光と適度な風が感じられます。通常はサッシの外側に設置する板戸を、今回はあえて内側に設置することで、レース状の網戸障子と板戸を組み合わせ、光の調整やプライバシーの確保を可能にしました。
以前までは、大きな窓からの視線が気になり、常にレースカーテンを閉めた生活を送っていましたが、今回のリノベーションでは「閉じたいときは閉じ、開きたいときは開く」──そんな自由な使い方ができる窓辺へと生まれ変わり、カーテンを使わない暮らしが実現しました。
好きな本に囲まれ、心地よい時間を過ごせる住まいへと生まれ変わりました。