プロの住宅レシピ やさしい光が漂う「図書室のような食堂」をもつLDK

森孝行建築設計事務所
森 孝行
塗料

ハウスメーカーによって建てられた2世帯住宅の1階部分の改修。

タイル

経年変化を楽しめる自然素材を積極的に採用。光の入り方や壁のバランス、動線を改善することで空間の質を整えることを試みた。

来客も多いためパブリックスペースとしても使えるようデザイン。

独立キッチンから一体となるLDKへと変更。キッチンにも光が入り、家事中も家族の気配を感じる。

思わず座りたくなる窓辺。床から少し上げた位置に窓を設け、居場所となるようデザインしている。

この住まいは、本やアートが好きなご主人のためにディスプレイする場所も兼ねた、奥行きが深く大きな本棚のある食堂が特徴です。食堂全体がまるで図書室のような雰囲気となっています。
また、食堂の床は一段掘り下げてタイル張りにすることで、多目的に使えるようなデザインとしました。二世帯住宅ということもあり、親族が集まる場として、パブリックな使い方もできるように設計しています。床暖房も備えているため、冬場も快適に過ごせます。

食堂に隣接するリビングは、ほどよく囲まれた落ち着いた雰囲気が魅力です。
開口部には、床から少し上げた位置に窓を設け、採光のためだけでなく、窓辺自体が居場所となるようにデザインしています。
網戸の代わりに採用した、折り込んだ和紙を張った「障子網戸」からは、柔らかな質感の光と適度な風が感じられます。通常はサッシの外側に設置する板戸を、今回はあえて内側に設置することで、レース状の網戸障子と板戸を組み合わせ、光の調整やプライバシーの確保を可能にしました。

以前までは、大きな窓からの視線が気になり、常にレースカーテンを閉めた生活を送っていましたが、今回のリノベーションでは「閉じたいときは閉じ、開きたいときは開く」──そんな自由な使い方ができる窓辺へと生まれ変わり、カーテンを使わない暮らしが実現しました。
好きな本に囲まれ、心地よい時間を過ごせる住まいへと生まれ変わりました。

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採用されている製品

自然素材の塗料・漆喰|プラネットジャパン
株式会社プラネットジャパン
森孝行建築設計事務所
森 孝行
ここが私の評価ポイント!
落ち着いた風合いと、ある程度の調湿効果が期待できる塗装仕上げです。一般的な塗装と比べて、質感がやわらかく、自然な雰囲気に仕上がります。下地にはドイツ紙と呼ばれる専用の壁紙を使用し、クロス職人によるパテ処理で丁寧に仕上がります。 今回の場合、特に窓まわりでは、あえて窓枠を設けず抱き納まりとしましたが、美しいディテールに仕上がりました。角の出方もきれいで、安定した仕上がりが得られるのも魅力のひとつです。 漆喰のような質感でありながら、コストを抑えたいときにも採用しやすく、バランスの良い製品です。
採用製品
磁器質タイル|フォンテトレーディング
フォンテトレーディング株式会社
森孝行建築設計事務所
森 孝行
ここが私の評価ポイント!
やわらかな表情と心地よい肌触りで、季節を問わず快適なマットタイルです。 ややつや消しのマットタイルは、今回の住まいのように土間のような雰囲気を出したいときにもおすすめです。光の加減によって、グレーにもアイボリーにも見える繊細な色味が特徴で、空間にやさしい陰影が生まれます。 夏場は素足に心地よいひんやり感があり、床暖房にも対応しているため冬も快適で、季節を問わず快適に過ごせます。
採用製品
森孝行建築設計事務所
森 孝行

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