プロの住宅レシピ リビングから続く、少年心をくすぐる多目的ガレージ

長崎 昭人
リビングと一体化した多目的ガレージを持つこちらの住まい。
「大きな車が入る屋根付きガレージ」と「個室を分けて暮らすというより、家全体をワンルームのように自由に使いたい」というご希望から設計がスタートしました。車やキャンプ、薪ストーブやDIYなど、外で遊ぶ要素を暮らしの中に取り込んでいます。
ガレージは駐車スペースだけではなく、趣味や子どもとの遊び場にもなる多目的スペースとしました。友人と集まって食事を楽しんだり、作業をしたりと思い思いに楽しめる自由な空間でもあり、秘密基地のような場所です。
リビングとガレージは、ガラス越しにゆるやかにつながり、お互いの気配を感じながらも、つかず離れずの距離感を大切にします。
必要に応じてロールスクリーンで仕切ることもでき、集中したいときは籠ることも可能です。
外観は、一般的な住宅には見えないようなデザインに仕上げました。ガレージの屋根を意図的に低く抑えることで、外から見ると「どうなっているんだろう?」と好奇心をくすぐります。中に入ると見た目とは違った想像を超える広がりがあり、そのギャップもまた、この家ならではの遊び心です。
ガレージからつながるリビングには、経年変化が味わいになる杉材を使用。ガレージとはまた違った空気感が流れ、手触りや足触り、香りや温もりなど、五感で感じる自然素材が子どもの成長を育みます。
暮らし、遊び、アウトドアが溶け合うこの住まいは、お施主様の「好き」が詰まった、少年心をくすぐる遊び場のような住まいです。