プロの住宅レシピ 景色とともに暮らす、余白のある家

杉中浩之・杉中真由美
京都市内、静かな山あいに佇む築約50年の住宅をリノベーション。
歴史と自然が調和するこの地で、周囲に広がる豊かな緑をいかに暮らしに取り込むか──その視点を大切に設計を進めました。
改修のテーマは、「風景を切り取る合板のハコ」「既存の骨格を尊重する」「現代住宅としての性能を確保する」の3つ。
構造は極力活かしつつ、断熱性・耐震性を強化。水まわりは大きく手を加えず、もとの配置を踏襲しています。
1階はかつての壁を取り払い、ひと続きの大空間に再構成。
目の前に広がる御陵の緑を室内に引き込むよう開口を設け、2階からも自然の景色を望めるよう窓を配置しました。シンプルな一室構成とすることで、将来的にはライフスタイルに応じた柔軟な空間分割も可能。暮らしの変化にしなやかに対応できる、自由度の高い設計です。
四季のうつろいと共に暮らす、ひらかれた住まいが完成しました。