プロの住宅レシピ 「はたらく」と「暮らす」をつなぐ中庭

大西建築設計室
大西 慶明

仕事の合間に休憩をしたり、休日には家族で昼食したり、友人が集まったり、使い方はさまざま。

木製サッシ タイルカーペット 張り材

天井高を抑えた落ち着きのあるビットリビング。大開口の先には中庭、仕事部屋と続く。

大開口には雪見障子を採用。半開にすることもでき、光を取り入れながらもプライバシーを守れる。

勾配屋根の仕事部屋は狭さを感じさせない設計。

外観からの様子。

在宅ワークという働き方の中で、「はたらく」と「暮らす」をどう共存させるかは重要なテーマです。
この住まいでは、中庭を介して二つの空間が緩やかにつながり、ほどよい関係性が保てるよう設計しています。たとえば仕事中、ふと中庭越しに子どもの様子が見えたり、子どもに仕事をしている風景を見てもらえるといった環境や関係性を大切にしました。

リビングは床を一段下げたビットリビングで、2.16メートルほどの天井高と、珪藻土の壁の質感が合わさることで洞窟のように包まれた感覚があり、自然と落ち着ける空間となっています。
一方、仕事部屋は勾配天井を用いた抜けのある空間で、狭さを感じず快適に過ごせます。
中庭を介して二つの空間に対比を持たせたことで、一日の生活の中で「はたらく」と「暮らす」のメリハリがありながらも、住まい全体としては緩やかにつながり、リズム感を感じる設計です。

リビングには階段や窓際の段差を活かして、小さな居場所を点在させています。こうした自然と集まりたくなる仕掛けにより、来客時には皆がちょうどよい距離感で囲むように座り、談笑が弾みます。
仕事で疲れたときは、ふと中庭やリビングに目を向けて気持ちをリセット。週末には中庭でお茶を飲み、昼食を囲む…そんな穏やかな時間の積み重ねが、暮らしの質を高めてくれます。
中庭を中心に、「暮らす」「はたらく」そして「集う」が交差する、新しい暮らしを提案する住まいとなりました。

Photo : 仁田 慎吾

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採用されている製品

木製サッシ/アイランドプロファイル
株式会社 アイランドプロファイル
大西建築設計室
大西 慶明
ここが私の評価ポイント!
遮音性と断熱性に優れた木製サッシです。 国道沿いの交通量が多い立地でも、窓を閉めれば驚くほど静かで快適。断熱性も通常のアルミサッシより高く、室内環境が安定します。 木製の美しい質感が空間にもよくなじみ、デザイン的にも満足度の高い製品。採用して本当に良かったと感じています。
採用製品
大西建築設計室
大西 慶明
ここが私の評価ポイント!
メンテナンス性の高さが魅力のタイルカーペットです。 サンプルをいくつか取り寄せた中でも、肌触りや色の雰囲気がとてもよく、自宅にも採用しました。数か月使用していますが、毛がへたることもなく、良い状態を保っています。 特に肌触りが心地よく、思わず寝転びたくなるほど。カラーバリエーションも豊富なので、さまざまな空間に合わせやすく、お客様へのご提案もしやすい製品です。
採用製品
椅子生地|株式会社サンゲツ
株式会社サンゲツ
大西建築設計室
大西 慶明
ここが私の評価ポイント!
非常に肌触りが良く、デイベッドのように使える張り材です。 とにかく座り心地が抜群で、ついそのまま寝落ちしてしまうことも。見た目の質感や触り心地も気に入っています。 カラーバリエーションも豊富で、住まいの雰囲気や用途に応じて選びやすい点も魅力です。
採用製品
大西建築設計室
大西 慶明

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