プロの住宅レシピ 開放感と機能美で紡ぐ、家族の繋がり

鈴木 宏幸
光が差し込む豊かな自然に囲まれた二世帯住宅。
奥行きのある玄関には、やわらかな太陽光が取り込めるガラス窓や植栽できるスペースが設けられており、自然な立体感が美しさを引き立てています。
これほどガラス面を広くとった設計では、視線を遮る壁が少ない分、生活感が出やすい側面も。
そこで、物を表に出さずに収められる収納を随所に確保し、家事のしやすさと快適な日常を支える機能美が施されています。
キッチンと隣接するパントリー兼ユーティリティ、洗面室とは回遊動線でつながっており、行き止まりのないスムーズな家事動線を実現。リビングのテレビ背面には配線用の通路が設けられており、ゲーム機などはキッチン収納に収めることで、コード類を見せず、整った印象を保つことができます。
廊下から直接アクセスできるウォークインクローゼットは、洗濯から収納、着替えまでをひと続きにこなせる設計に。小さなお子さんのいる家庭だからこそ、家事をしながら浴室の様子をさりげなく見に行ける動線も確保されています。
また、住まい全体の動線は、どの部屋に向かうにも必ずリビングを通るように計画されており、個室にこもりすぎず、自然と顔を合わせる機会が生まれるよう配慮されています。
姿が見えるという距離感が自然なコミュニケーションを育み、家族や友人との繋がりを広げる温かな空間を生み出す。こうした心地よく迎えてくれるような開放的な家の佇まいが、”心の帰る場所”となるような癒しを感じさせます。