プロの住宅レシピ 家族とつながる、ひとまわり先を見据えた家

千葉絢子
将来の家族構成を見据えながら、生活の変化にも柔軟に対応できるよう計画を進めました。
ご主人の作業部屋や子ども部屋など、それぞれの個室を設けながらも、引き戸を用いることで空間をゆるやかにつなぎ、どこにいても家族の気配を感じられる住まいに。
2階には4つの個室を配置。リビングを吹き抜けとし、ここを通って2階にアクセスする動線とすることで、家族間の自然なコミュニケーションが生まれます。個室の建具には大きな障子を採用。断熱性を高めるために二重貼りとし、開閉によって空間を緩やかにつなげる自由度も持たせています。
増築により土間収納を新設し、アウトドア用品や自転車などを土足のまま出し入れできる便利なスペースを確保。少し余白を残したことで、将来の使い方にも幅が生まれています。
外観は焼杉で仕上げ、周囲の田園風景に溶け込むようデザイン。ご主人の「なるべく自然素材を使いたい」というご要望から、1階はオーク、2階はヒノキの床材を選定しました。
キッチン裏には水回りと収納を集約し、家事がスムーズに行えるよう動線を整理。家事効率と、家族とつながる開放感、そのどちらも大切にした住まいです。