プロの住宅レシピ 重厚さと浮遊感が共存する、塀のないコンクリートの家

大久保一級建築士事務所
大久保元彰

コンクリートと白い外壁が印象的なファサードは、プライバシーを守りながらも洗練された存在感を放つ。

打放しコンクリートの質感が映える、ミニマルで温もりあるLDK。

外からのプライバシーを守りつつ、室内にやわらかな光を届けるハイサイドライト。

ミニマルな空間構成。 細い柱や軽やかな素材使いが、コンパクトな間取りにも心地よい抜けと広がりを生む。

日が落ちると、外観は日中のシャープな印象と異なり、 内側からこぼれる光に包まれた、やわらかな表情に。

塀で囲わない代わりに、建物自体でプライバシーを守る——そんな考えから生まれた、コンクリート造の都市型住宅です。道路に面する1階部分は、あえて窓を設けず、光は主にハイサイドライトから取り込みます。視線を巧みに避けながら、室内にはやわらかな自然光が届くよう設計しました。
外壁は打放しコンクリート仕上げ。型枠の目地をあえてずらす「馬目地」工法により、石積みのような独特の表情を生み出しています。上層階との境界には、影のような濃い色をぐるりと一周配し、2階、3階のバルコニーの白い吹付け仕上げが宙に浮いて見えるよう演出。重厚さのなかに軽やかさを感じさせる外観です。
内部は白を基調とし、随所にコンクリートの素地を残し、硬質な素材感とシンプルさが調和。
将来を見据えたホームエレベーターや、洗濯導線を考慮した間取りなど、日々の使い勝手と暮らしの変化に寄り添う、堅実で芯のある住まいが完成しました。

企画監修:2572 井田耕市

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