プロの住宅レシピ アイコニックな三角屋根が並ぶ、家族の気配を感じる開かれた住まい

林健太郎
善通寺の地に建つ、この4人家族のための住まいは、共働き夫婦に優しい設計が随所に光ります。
1階は大きな駐車スペースを確保しつつ、ゆったりとしたリビングを配しました。リビングには大きな吹き抜けがあり、その天井にはシースルーのスノコ床を設置。吹き抜け越しに家族が自然に会話を交わせる空間となっています。スノコ部分は床材を敷いたり、自由に使い方を変えられる高い自由度を持ち、まるでサンルームのような開放感も演出します。
全ての引き戸は開閉が自在で、戸を開け放てば全体が一つの大きなワンルームに。個室は閉ざしすぎず、ちょうどよい距離感で家族の気配を感じられる設計です。
外観は周囲の三角屋根の家々に調和するように、白い四角の上に三角屋根がポコポコと並ぶアイコニックなフォルム。軽やかで透明感のある佇まいは、街に溶け込みながらも家族の存在を優しく主張します。
子供が安心して過ごせるように、閉じるのではなく、街の人も子供の気配を感じ取れるようなオープンな仕掛けを設けています。共働きの家族が快適に、かつ家族のつながりを大切にしながら暮らせる、温かみあふれる住まいです。
写真:永井杏奈