プロの住宅レシピ 同じ空間で緩やかにつながる、LDK中心の暮らし

株式会社神部聡建築設計事務所
神部 聡

同じ空間にいながらも、それぞれが程よい距離で過ごせる空間づくりが求められた。

タモ材の集成材で造作した大きなキッチンカウンター。

「シンプルなものが好き」というご夫婦。白を基調としながら、床や家具には木の温かみを添えて。

和室から見るキッチン。

和室の床下は活用。窓辺では外とのつながりもあり、「こもれる場所」としての心地よさが生まれている。

三方を道路に面した敷地に建つコンパクトな住まい。
「子どもたちが個室に籠らず、なるべく家族で過ごす時間を大切にしたい」というお施主様のご要望に対し、広いLDKを中心とした平屋の計画です。

ダイニングカウンターを住まいの中心に置き、そのまわりをキッチンやリビング、個室などが囲むように配置されています。
テーブルの近くに個室の扉を並べることで、リビングやダイニングを部屋の延長として使うことをイメージしました。

I型のキッチンとつなげたL字型の大きなカウンターテーブルは、食事だけでなくお子さまの勉強や家族の書き物など、多目的に活用できるスペースです。 子どもが宿題をしている一方で大人が仕事もできるような、同時利用を想定したゆとりある寸法となっています。
またLDKの一角には小上がりの和室が設けられ、壁や段差を活用して程よい距離感と独立性を持つ場所となっています。
和室の奥まで行けばダイニング側の視線が届きにくい落ち着いた場所であったり、あるいは小上がりの縁に腰を掛ければリビングとの一体的な場所になります。
家族が集まる場所だからこそ、それぞれが関係性を持ちながらつながる多様な居場所と、大きなカウンターテーブルが生み出す「余白」を用意することで、家族での様々な時間が積み重なっていくことを願っています。

■Photo:アーキメディア沖縄

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神部 聡

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