プロの住宅レシピ 既存の魅力を活かし現代に寄り添う 箱根の古民家リノベーション

nanaba建築事務所
曽根七穂

仕切りを減らして開放感を高めたリビング。外の景色を大きく切り取る開口部が、室内に光と風を呼び込む。

天井まで伸びる梁組みが存在感を放つ吹き抜けのダイニング。昔の構造と新しい仕上げが共存し、軽やかさと温もりを兼ね備えている。

2階の寝室からは吹き抜け越しに梁や下階の空間が望める。既存構造を活かしながらも、明るく心地よい寝室に。

竹垣に囲まれたプライベートな湯船とデッキチェアを備えた半露天風呂。静かな環境の中で、湯に浸かりながら外気を存分に楽しめる。

室内と庭をつなぐ長い縁側は、回遊性の高い動線を生み出している。木の質感と外の緑が調和し、古民家らしい趣を感じさせる空間に。

築60年を超える箱根の古民家を、現代の暮らしに寄り添いながらも開放感あふれる空間へと再生したリノベーション。長年の増改築を経た建物は、独特の梁や構造に味わいがあり、その魅力を最大限に活かすことから設計は始まりました。梁は可能な限り既存を残し、傷みのある部分のみを補修。古民家ならではの質感と歴史を受け継ぎつつ、新たな空間としての快適性を高めています。
プランの大きな特徴は、仕切りを極力なくした回遊性のある間取り。部屋から部屋へと視線や人の流れが自然につながり、屋内でありながら外と一体になったような伸びやかさを感じられます。既存の骨組みと新しい構造が共存し、昔の趣を残しながらも光や風が抜ける、軽やかな空間が誕生しました。
素材や仕上げにもこだわり、木の温もりと素朴な風合いを活かした内装が、訪れる人を包み込みます。外の景色を取り込む大きな開口や回廊のような動線は、暮らしの中に「非日常のくつろぎ」をもたらします。
歴史を刻んできた家と丁寧に向き合いながら、新たな時代にふさわしい開放的で心地よい空間を実現したリノベーション事例です。

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