プロの住宅レシピ 真ん中に人が集まる 地域とつながる開放的な平屋の住まい

伊与田貴章
地域に開かれた暮らしをテーマに設計された平屋住宅は、敷地の広さを活かし、中心に地域や家族が自然に集まれる大きな交流スペースを配置しています。玄関を通らずに出入りできる動線を備えることで、暮らしの延長に地域との関わりが生まれる、開放的な住まいです。
建物は中央の共有スペースを境に、一方には寝室や個室といったプライベートゾーンを、もう一方には趣味室などのセミパブリックゾーンをレイアウト。中央の場を通って各空間へアクセスする構成が、人と人の距離を自然に縮めます。
素材にもこだわり、木の自然素材をふんだんに使用。優しい質感と経年変化が、室内に温もりと安心感をもたらします。仕切りを減らし、光と風が通り抜ける中央スペースは、日常の団らんから地域の集まりまで、多様なシーンに対応できる柔軟さを備えています。
この住まいは、“みんなで集まって楽しむ”という地域の文化を建築のかたちに落とし込みました。プライベートと交流の場をゆるやかにつなぎ、地域と住まいが心地よく交差する、開かれた住宅です。