プロの住宅レシピ スニーカーを飾る、収納と展示を兼ねた階段設計

菊池 弘之
この住まいの設計で大きなポイントとなったのは、ご主人が集めてきたスニーカーでした。
「せっかくなら飾って楽しみたい」というご希望を受け、階段まわりを展示スペースとして活用。見せる収納と保管を兼ね備えた大容量のシューズクローゼットを計画しました。
リビング奥に設けた階段の一面が、まるでギャラリーのようにスニーカーで彩られています。階段の上下どちらにも靴を収められる設計とすることで、靴そのものをインテリアの一部として見せ、収納と装飾を兼ね備えました。
階段は中央に鉄骨を通す「力桁(ちからげた)構造」を採用。段板の小口を薄く見せることで、奥に並ぶスニーカーがすっきりと視界に入ります。
また、展示棚には黒系のチョコレートグレーの面材を用い、階段の横枠も同色でまとめました。落ち着いた背景があることで、スニーカーがより鮮やかに際立ちます。
暮らしの動線として日常的に使う階段が、そのままコレクションを楽しむギャラリーとして機能する設計です。