プロの住宅レシピ 異国の記憶をまとい、光と緑にとけ込む家

仲亀清進建築事務所
仲亀清進

南アフリカで集めた家具や工芸品が、木の空間に自然に溶け込む。素材と文化が響き合い、日常に異国の温度を宿すリビング。

1階と2階をつなぐ階段は、木のボリュームと光の抜けが交差する場。動線の中に陰影が生まれ、時間の移ろいを感じることができる。

木とコンクリートの質感を生かした空間構成。触れて心地よい素材だけで仕上げた。南庭の緑が大きな窓越しに広がる。

仕切りを極力排した構成で、光がやわらかく回る。素材そのものが住まいの表情をつくる。

ひし形の敷地に沿ってくの字に折れた外観。

閑静な住宅街の角地に佇む二世帯住宅。ひし形の敷地に呼応するよう、建物はやわらかく“くの字”に折れ、光と風、緑の流れを受けとめる構成としました。玄関とホールを共有しながら、その奥ではそれぞれの暮らしが静かに分かれ、ひとつの屋根の下で緩やかにつながっています。
1階は子世帯の空間。南に大きく開いた窓から光が差し込み、リビングは柔らかな明るさに包まれます。L字型のプランで、キッチンを穏やかに隠しながら、庭へと視線が抜ける設計。コンクリートと木が響き合い、素材そのものの質感を楽しむ暮らしです。ご家族がかつて暮らしたブラジルの、触れて心地よい生活文化を体現しています。
2階はご両親の住まい。高い天井とわらん合板のぬくもりが生むのは、光と静けさのバランス。時間の流れをゆっくり感じられる穏やかな空間です。階段の壁の中にはリフト用の電源と下地を備え、将来にわたって安心して暮らせる設計としました。
庭には四季を映す木々が並び、年月とともに緑の陰影が深まります。素材と風景が寄り添い、暮らしそのものが景色となる住まいです。

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