プロの住宅レシピ 制約をデザインに変える、家族がつながる住まい

Kai Design 建築設計事務所
荒井 海太郎
照明

ハイサイドライトを設けることで、外からの視線を遮りながらも光を大きく取り入れた。

特にブラケットやペンダントライトは空間の印象を左右する。オーク材や白い壁とのバランスを見ながら選ぶことで、重厚感と高級感が生まれた。

ポーターズペイントを用いて壁の一部を家族でDIY塗装。住まいづくりを楽しみながら、愛着も生まれます。

家の中心に設けた鉄骨階段は軽やかで繊細に見えるよう、細い線でデザインを統一。住まいのアクセントにもなっている。

住まいの中心に設けた鉄骨階段は繊細さとラインに拘ることで、軽やかな印象を与える。

防火地域に建つ三階建ての木造耐火住宅。
限られた敷地条件や厳しい防火基準をクリアしながら、「家族のつながりを感じたい」というご希望を叶えた住まいです。

個室は必要最低限のサイズに抑え、あえて3階の廊下にゆとりを持たせました。廊下には読書や勉強、ちょっとした作業ができる共有スペースを設置しています。さらに足元の壁をなくし、下階の吹き抜けのダイニングとつながることで、階が違っても声や気配が届き、家族の存在を感じられる構成としました。
在宅ワークが中心の奥様は「籠るのではなく、家族の気配を感じながら仕事をしたい」と希望されました。そこで、暮らしの中心であるLDKにワークスペースを隣接させ、仕事と日常が穏やかに共存する空間を実現しています。

この住まいのもうひとつのテーマは「防火地域の木造耐火建築」です。
耐火木造では、プラスターボードを室内外に二重張りするなど特殊な仕様により、通常より壁の厚さが増すため、暮らしのスペースが狭くなります。そこで限られた空間の中で有効スペースを最大限に確保し、デザイン性と住まい全体のバランスを取りながら快適さを追求しました。 お客様がともに作り上げる住まいだからこそ、この住いのように環境や土地の制約を逆手に取り、デザインへと落とし込むことで、暮らしに反映させることができます。

Photo:Nacasa & Partners Inc. Osaki Emon

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採用されている製品

照明|ニューライトポタリー
株式会社ニューライトポタリー
Kai Design 建築設計事務所
荒井 海太郎
ここが私の評価ポイント!
今回採用した照明は、ニューライトポタリーのガラス製球体タイプ。インテリア全体の空気感やスタイリッシュな家具との相性を重視し、重厚感と高級感のある照明を照明しました。スモークがかったガラスと真鍮の金色のブラケットが、シックで落ち着いた雰囲気を演出しつつ、360度に光が広がる仕様で、明るさの確保もできます。 特に住宅では、照明がインテリアの主役になることも多く、特にブラケットやペンダントライトは空間の印象を左右する重要な要素です。今回の住まいのように、オーク材や白い壁とのバランスを見ながら選ぶことで、狙いすぎず自然な高級感を持たせることができました。照明は空間の質を高めるための大切な要素だと考えています。
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荒井 海太郎

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