プロの住宅レシピ 光と気配を感じて暮らす、中庭のある家
石黒隆康
目の不自由なご夫婦と、それぞれの盲導犬、計二匹の大型犬が暮らす住まいです。
周囲の視線を気にせず、やわらかな光を日常の中で感じたいという思いから、中庭を中心に据えた設計が選ばれました。中庭は各室に安定した明るさをもたらすだけでなく、外部からの視線を遮り、想像以上の安心感と開放感を生んでいます。
室内では、手すりに頼らずとも壁に自然と手を添えられるような工夫を施し、身体感覚を大切にした動線を計画。盲導犬と快適に暮らすため、犬用のシャワースペースも設けました。また、水害の可能性を考慮し、基礎を高くすることで安全性にも配慮しています。富士山やアルプス山脈を望む敷地の特性を生かし、屋上には小さなデッキを設置。光、風、気配を楽しみながら、日常を豊かに味わうための要素が丁寧に積み重ねられた住まいです。