プロの住宅レシピ モノトーンで整える、ほどよい距離感の二世帯住宅

YUTOROSU architects
千倉 徳誠

内装はモノトーンを基調とし、色数を絞り素材の質感を活かす。これからの生活の色を受け止める余白を持たせている。

アンティーク調のフローリングは、重厚感のある雰囲気を際立たせている。

明暗により開けた場所と落ち着いた場所をつくり、グラデーションによって奥行きを生み出している。小さな窓を天井や部屋の端に寄せることで、光の入り方に変化をつけた。

二つのボリュームが重なり合う構成の外観。外装材には、ソリドとジョリパットを使い分けることで、構成の違いが自然と読み取れる。

夕方の景色。

二世帯が一緒に暮らすために計画した、新しい住まい。
二世帯での暮らしにおいて、重要なことはプライバシーの確保でした。
駅が近く人通りも多い住宅密集地という環境の中でも、外からの視線と世帯ごとのプライバシーを守りながら、のびやかに暮らしたいというご希望でした。

住宅密集地では、どうしてもカーテンを閉め切った生活になりがちです。そこで住まいの中心に中庭を置き、中庭に向けて窓を設けることで、外部からの視線を気にせず光や風を取り込む構成としました。
一方で、通風や暗がりになりやすい場所には小さな窓を設置。曇りガラスを採用することで、周囲の視線が入らないように配慮しています。

また、世帯間でお互いを気にしすぎないよう、中庭を介した視線のコントロールも行っています。
例えば、一階のお父様の寝室と二階のご夫婦の寝室は上下に設け、どちらも中庭に向いて開くことで、部屋にいるときに視線が交わることはありません。
さらに、吹き抜け部分にはガラスを設けることで、音の距離感にも配慮しています。
交わりたくない場所では気配を感じにくく、共有したい場所ではほどよく存在を感じられる関係性を大切にしています。
内装では、シンプルな構成でモノトーンを基調とすることで色数を抑えました。暮らしが始まれば生活用品など自然と色は増えるため、バランスを取りやすいよう余白を残しています。

一方で、照明や手すりといった細部にまでこだわることで、主張しすぎないけれど存在感のある空間となっています。
お客様の雰囲気や暮らし方を聞きながら、「ご家族らしい建物とは何か」をお施主様やスタッフと一緒に考えます。こうしたコミュニケーションを含め、住まいづくりそのものの楽しさや、形になっていくことの素敵さを感じていただければと思います。

Photo : Kenji Masunaga

シェアする
YUTOROSU architects
千倉 徳誠

他の家づくりのアイデア

プロの住宅レシピ カテゴリ