プロの住宅レシピ 世代が違う二世帯の縁をつなぐ縁側
永江 光次
昔ながらの平屋の良さと愛着のある家を引き継ぎながらも、お互いが無理をしない新しい二世帯の住まいを模索しました。
二世帯住宅を設計する上で大切にしたことは「距離感のデザイン」。
そこで作ったのがリビング横の縁側空間です。
お互いが過干渉されず、丁度良い距離感がもてる「居場所」を作りました。
縁側空間では、趣味を楽しむ場所として、ときにはのんびりと読書やお昼寝ができる場所として...生活シーンに合わせて多種多様な使い方ができます。
ポイントは、リビングにつながる場所にあること。そして、縁側横にボックスの和室を配置したことで、リビングやダイニングから直接的には見えないうえに、真ん中に柱を立てることで、気持ち的にも視覚的にも別空間のような印象を与えました。
実際に生活をする中で、それぞれやりたいことをやりながらも、自然と一緒の空間を共有していることが多いというお話しを聞いています。
従来、縁側とは外部と内部をつなぐものでした。この住宅では「人のつながり、縁」をつなぐ場所と位置づけています。
世代の違う二世帯が共有の場所(リビングと縁側空間)を通して、コミュニケーションを誘発し、助け合える住まいになりました。