プロの住宅レシピ 広く見せる工夫が詰まった、家族が集うキッチンダイニング
杉田 陽子・吉田 慎二
キッチンダイニングスペースが中心の、家族4人のための平屋住宅。
玄関を抜けるとすぐに、この住宅のメインであるキッチンダイニングが姿を現します。コンパクトな住宅ながら、いかに空間を広く、心地よく見せるかにこだわり設計。
まずは天井高さです。他の部屋が2.2から2.4メートルと一般的な高さに比べて、このスペースは3.5メートルの高さがあります。
つぎに、特徴的な部屋の形です。窓に向かって広がるメガフォン型の形にすることで、窓の先の景色に向かって空間が広がるような視覚効果が生まれます。通常、壁はまっすぐ直角に伸びますが、こちらの住宅の壁は勾配がついています。勾配を付けることでより空間が上にも広がるような視覚効果を与えます。4.5メートルある大きなキッチンも部屋の形と同じメガフォン型にし、空間の中心に配置することで、奥行きの広がりを強調しています。
そして、部屋の両サイドには棚や家具などは置かず、全て壁面収納に収納し、壁のラインはまっすぐ保つことで、常に広く綺麗に整った印象を与えます。
キッチンと一体の大きなダイニングテーブルは、家族が思い思いに食事をしたり、パソコン作業をしたり、読書をしたりと同時に多様なことができる第二のリビングのような居場所となっています。