プロの住宅レシピ 床であって床ではない 吹き抜けのネット床
保坂 裕信
このネット床は遊び心に加えて、様々な役割を担っています。ネットは吹き抜けの上を渡ってロフトとロフトをつないでいます。
ロフトは建築基準法で下の階の床面積の1/2までと決まっているのですが、ネット床はこの場合の床面積には入りません。吹き抜けと同じような扱いで申請することができます。そこでロフトの床面積に併せて空間を切り落とすのではなく、ロフト床とネット床を組み合わせて建物の外枠を大きく確保できるようにしました。
また、ロフトや屋根裏というと空気がこもってしまうイメージがあると思うのですが、このネット床部分が間にあることで風通しもよくなっています。
加えて、ロフトには設けられる窓のサイズに制限があるのですが、吹き抜け扱いになるネット床の部分は大きな窓を設けられます。これにより、目線を避けやすい上層から採った明かりを下のフロアまで届けることができます。もちろんネットの上をアスレチックのように渡ることもできますので、家の中の遊び場の役割も果たしてくれます。
PHOTO:有限会社アダボス 足立和久