お子様がダンスや野球の練習に打ち込むため、 矩形くけい （長方形のこと）の広い空間にすることが一番のご要望でした。TVボードを壁面に埋め込むなど、無駄なスペースを徹底的に省き、お子様たちが練習に集中できるよう、十分な広さを確保しました。
練習用の姿鏡は建具のようにスライドし、不要な時は戸袋に収納できます。また、同じ空間にキッチンと玄関があるため、日常の生活で雑多になりがちなものは見せないよう、収納面でも工夫を施しています。
天井と壁にはトレーニング用の雲梯と肋木ろくぼく （体操用具の一種）を設置。構造梁を利用して雲梯を造作することで、既製品で生じがちな違和感や圧迫感が軽減されます。また、素材を合わせることでリビングに一体感が生まれ、広々とした印象になります。
玄関のように使われているウッドデッキからは、近隣の子供たちも気軽に出入りでき、自由に雲梯を楽しんでいます。
お施主様のお人柄もあり、地域に開かれた住宅として、お子様たちが夢中になる場所となっています。

Photo : しんめんもく 後藤健治