プロの住宅レシピ 子どもの自立心が育つ 自分でできる収納と学習スペース
水本純央
『守山の家』は家族のちょっとした居場所をたくさん作った家です。それぞれがほど良い距離感で個別の場所にいながら、室内窓や吹き抜けを通してゆるやかにつながる家づくりを行いました。
その中で施主の方の希望もあり、目が届きながらも、お子さんが自分の身支度はできるだけ自分で行うための収納や、勉強や作業に集中できる居場所となる学習スペースを設けました。お子さんの自立心を養って行けるような工夫です。
階段下の収納は、衣類や鞄の片付けや準備が自分でできるよう、手が届く高さに設計しています。帰宅時には廊下の洗面台で手洗いをしてそのまま物の置き場にくることができるので、自然と片付けが身に付きます。
また、その向かいにはお子さん専用の学習スペースを設けました。自分の居場所として落ち着けるように独立はしていますが、両側はロールスクリーンや障子で廊下とリビングにつながっており、孤立はしていません。背面にはキッチン側につながる小窓もあり、お互いの様子を見ることもできます。つながりながらそれぞれの個も大切にする、そんな家族のための家になりました。
PHOTO:株式会社ドローンITP企画