プロの住宅レシピ 「帯状の窓」と「光井戸」で、密集住宅地を快適に暮らす工夫
安井 慎治
密集した住宅地において、窓の配置と光の取り入れ方は重要です。
この住宅では、周囲の建物との干渉を避けるために、外からの視線を遮りながら光を最大限に取り込む工夫をしています。
通常、鉄骨造の建物では大きな柱が必要ですが、こちらの住宅では木造と同じサイズの100ミリ角の柱を連続して配置することで、帯のような窓を設け、空間に開放感を生み出しました。
さらに、採光条件の良くない建物内部でも直接採光が期待できる「ライトウェル(光井戸)」という仕組みを導入することで、住宅全体に光が均等に回り込む設計としました。
また、リビングの空調を考慮して階段部に設置した全面ガラス張りのドアにより、窓からの光を遮ることなく階段奥の浴室まで光を届けます。
これらの工夫を組み合わせることで、密集した住宅地の住宅でも、季節や時間に応じてさまざまな場所から光を取り入れることが可能となりました。