プロの住宅レシピ 浴室の閉塞感をなくす窓と鏡のL字ライン 〈寒冷地のお風呂の開放感と安全性〉

ATELIER O2
大杉 崇
タイル バスタブ

横長の窓と鏡のラインを揃えてL字にすることで、窓に囲まれたような閉塞感のない空間に。

洗面所と浴室はガラス仕切りで、窓の外まで目線が通る。壁面タイルも同じものを連ねて空間を一体化。

外壁材

写真右側、2階部分の横長の窓が浴室。

外壁木材

窓からは植栽や、春には桜が見える。ブラインドの角度で外からの目線はカット。

桜の季節、夜景。浴室の窓からお花見ができる。

『湖畔の家』は敷地内に桜の木があり、浴室からそれを眺められるように計画しました。
2階の浴室に桜や植栽方向を臨むことができる横長の窓を設け、その窓とL字になるようラインを揃えて、同じく横長の鏡を設置しています。これにより、鏡の中にも外の景色が映し出され、まるでL字の窓のように視界が広がり、浴室の閉塞感を解消してくれます。
さらに空間を広がりのあるものとするため、脱衣洗面所との間もガラス仕切りにして、窓の外まで目線が抜けるように設計しました。洗面所と浴室の鏡側の壁面にも同じタイルを使用し、空間に連続性を持たせています。
また、開放的で明るい空間にする一方で、この建物の所在地は盛岡で冬には-10℃になることもある寒冷な気候です。ヒートショックなどが起きないよう、しっかりと対策を行いました。
建物全体も断熱性能が高いですが、浴室のような薄着になる場所ですので、より一層万全となるよう浴室にも床下暖房を採用しています。浴室の湿気対策にもなるのでお手入れの負担の軽減にも役立つと思います。
面積以上の解放感を得ながら、冬場でも安全な浴室に仕上げました。

PHOTO: Atsushi Okuyama,Takashi Osugi + α

シェアする

採用されている製品

タイル・モザイクタイル|名古屋モザイク工業株式会社
名古屋モザイク工業株式会社
ATELIER O2
大杉 崇
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:CLARTE (クラルテ) CLA-100
『湖畔の家』の洗面所から浴室へかけて採用したタイルです。浴室のタイルには普段は大判の大判のものをおすすめすることが多いです。(600角サイズや600×300サイズなど)それは水回りのタイルが細かいと目地の手入れなどが大変だからという理由です。ただ、この住宅では施主の方から一面はアクセントとして細かくて表情のあるタイルを使いたいというご要望がありました。そこでご提案したのがこのクラルテの白色です。ノペっとした単一な白ではなく、光沢や微妙な色合いなどの風合いがある製品なのでとてもよい雰囲気に仕上がりました。こまめに目地掃除などの対応をするのが苦ではない方にはおすすめです。
採用製品
浴室|TOTO
TOTO
ATELIER O2
大杉 崇
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ネオエクセレントバス1600 PAS1610LJ
『湖畔の家』のお風呂は造作の浴室です。バスタブを選定していく際に、施主の方の要望を受けて選択したのがこのネオエクセレントバスです。家を建てた時期にはまだお子さんが小さく、一緒にお風呂に入っていました。このバスタブであれば、半身浴のための段差部分にお子さんが腰掛けて安全に入ることができるのではないか、というのがこのバスタブを選んだ決め手でした。
採用製品
SOLIDO typeM_LAP | 外壁材・屋根材
ケイミュー株式会社
ATELIER O2
大杉 崇
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:SOLID typeM_LAP
『湖畔の家』の外壁に採用したSOLIDはサイディングですが、質感の良い製品です。内壁にも使用できるので室内から外壁へとつなげて空間の広がりを演出しました。この建物の所在地が岩手ということで、南部鉄の黒色をイメージして鉄黒というカラーを選択しています。横ラインが強調されるので、それをきれいに見せるには割り付けなどの計算をしっかりする必要があります。きれいに収めることでSOLIDの持つ美しさがより際立ちます。
採用製品
各種防火処理木材・木質建材|チャネルオリジナル
チャネルオリジナル株式会社
ATELIER O2
大杉 崇
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:外壁用木材
『湖畔の家』の外壁に使用したのはチャネルオリジナルの木材です。営業担当の方のフットワークが軽く、「こういう木材はないですか?」という相談に応じて、カタログにないものも見つけてきてくれます。フローリングも含め、木材全体で頼れる存在で、北海道産の木材も種類を多く持っています。地場の木材を使えるのは気候風土でも、地産地消の観点でも良いことだと思います。
採用製品
ATELIER O2
大杉 崇

他の家づくりのアイデア

プロの住宅レシピ カテゴリ