プロの住宅レシピ シンプルながらも暮らしやすさの工夫が詰まった洗面所
蓮池 藍
『小さな土地の2階リビングの家』の洗面所は当初、施主の方とは天板とボール一体型の人工大理石などの洗面台をイメージして相談していました。
しかし、コスト面の問題もあり、そのような仕様で満足のいく洗面所を作るのは難しいだろうという状況でした。そこで、ご提案したのが『病院用流し』と木で造作する洗面台でした。
名前は病院用ですが、通常の洗面ボウルの1.5倍くらい大ぶりな流しの使い勝手の良さから、住宅などでもよく採用されている製品です。清潔感のある白い陶器製で、風合いも良く、深さがあるので周囲への水はねの心配も少ないです。この流しを木の天板にはめ込む形で造作する洗面台にすることで、予算内で1.6m幅の使い勝手のよい洗面カウンターを設けることができました。
カウンター下は自由に収納できるオープンタイプにし、パネルヒーターも設置しました。床下の基礎断熱の空気の出入口となるスリットをパネルヒーターの下に設け、床下の空気循環と暖かさに配慮しています。
他にも2階のパネルヒーター用の配管を、あえて洗面脱衣所内に現しで設置し、そこからの放熱による暖房効果や、室内物干しの洗濯物が乾きやすくなるように意図しています。