プロの住宅レシピ 時代経過を愉しむヴィンテージ空間
今泉 幸崇
時代経過を楽しむヴィンテージリノベーションの住宅。
古い住宅が持つ時代の空気感と、お施主様が作り上げた世界観に、プラスアルファを加えた設計を行いました。
板張りの壁や天井の梁、柱などはそのまま残し活かすことで、以前の家主が築いた世界観を受け継ぎました。これに合わせて、フローリングやキッチンのタイルには、風合い豊かで経年変化が楽しめる素材と質感のものを採用。キッチンに設置した棚などには、以前の住宅のフローリング材を再利用し製作。時間が経った木が醸し出す気配が空間の雰囲気を引き立ててくれます。
このリノベーションの背景には、とても古く潰す前提で売られていた中古住宅を「この家なら私の理想に近づけるかもしれない。古くてボロボロだけれど直せばきっと良い家になる」というお施主様の時代への思いと、古き良きものへのリスペクトがありました。住む人の思いを反映させたリノベーションは、次の時代へと引き継がれる新たな価値を住宅に与えました。