プロの住宅レシピ 太陽と山、自然を暮らしの中に届けるフレームと格子

アトリエナカ建築設計事務所
中川 雄三

家の東側には雄大な山の景色が広がる。

照明

外に広がる自然の光景を縦長のフレームでリビングに取り込む。窓の位置は高いので道路からの視線はカット。

自然光と景色が透過するよう木とアクリルで設けた通路。格子の向きも室内からの視界を邪魔しないように計算。

1階と連続性を持った2階の様子。格子とアクリル板の床が見える。

山に面した方向の建物外観、縦長のスリットのような部分が景色を切り取るフレームになる。

『山裾の家』はその名の通り、周囲を美しい山と自然に囲まれた土地に佇む住宅です。
東側に山が位置するので、朝日が直接的に射し込むのではなく、初めは山の上がほのかに明るくなり静かに夜が明けていき、太陽が高くなり南に昇ると今度は緑が美しく照らされるという環境でした。
この土地らしい自然光や樹木の色合いの変化を室内に届けたいと考え設けたのが、フレームのように風景を切り取る縦長の細い開口部です。
実はこの土地のように自然に囲まれた環境に暮らす方々にとって、山があるというのは日常の光景になっており、特別気に留めるものではなくなっていることも多いです。
そこで改めてその美しさを非日常として体験してほしいと思い、縦で切り取ってリビングから絵画のように楽しめる窓を設計しました。東側には道路があるため外部の人の気配を避けて自然だけを切り取れるよう、外からの視線をかわした高さから天井際までの長方形になっています。2階部分の通路も視界や光を遮らず景色がリビングに届くように、木製の格子とアクリルで作成した透過する床としています。

PHOTO: 中山 保寛

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採用されている製品

Siphon(サイフォン)|OnlyOne
株式会社ビートソニック
アトリエナカ建築設計事務所
中川 雄三
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:Siphon / Ball
SiphonのBallは他の物件でも採用していて天井の高いところにシンプルなペンダントライトとして使用することが多いです。白熱電球のフィラメントライトはきれいですが、時代に合わなくなってきてしまったので、LEDのフィラメントを選択しています。Siphonは調光できるので、LED特有の指向性の強さを必要に応じて弱めるなど調整できるところが優れています。デザインもシンプルで空間になじみやすく、サイズも様々なものがあるので重宝します。他にBall 95Gold Mirrorなどトップに加飾されているタイプも壁付けの間接照明などに採用しています。
採用製品
アトリエナカ建築設計事務所
中川 雄三

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