プロの住宅レシピ 屋外のような開放感 トップライトとグレーチング階段

村上康史建築設計事務所
村上康史
階段素材

住宅密集地でも自然光を十分に取り込むトップライトと光を通すグレーチングの階段。

吹き抜けの土間まで、自然光がダイナミックに降りる。

グレーチングの素材感が半屋外のような開放感を演出。

土間からトップライトを見上げる。

フローリング

2階リビングから階段とトップライトの方向を臨む。

『新森の住宅』は大阪市内の住宅密集地という立地で、採光や外からの視線の回避という点でやや不利な条件でした。
施主の方は明るく開放的に暮らしたいという希望をお持ちで、その理想を叶えるために様々なプランを検討しました。
打合せをしていく中で、吹き抜け土間にトップライトをつけて1階の多目的土間スペースまで自然光を届けるというプランが最初に決まりました。
そこでトップライトからの光を通す階段を設計することとし、選択したのが屋外のような雰囲気を演出するスチールグレーチングでした。グレーチングは道路の側溝の蓋などにも使われる工業製品ですが、うまく木や白い内装と調和させれば程よいラフ感が活かせます。
思い切った素材選びではありますが、今回のご要望にはとてもマッチしていました。また、木製ルーバーやエキスパンドメタルなどの特注品を製作するのに比べ、既製品の利点でコストも抑えられ、個性的でありながら無理のないプランとなりました。
これにより住宅密集地でも明るい1階を実現し、土間スペースがセカンドリビングのように活用される場となりました。

PHOTO:髙橋 菜生

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採用されている製品

ステンレスグレーチング|ダイクレ
株式会社ダイクレ
村上康史建築設計事務所
村上康史
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:スチールグレーチング
『新森の家』ではスチールグレーチングを階段に使用しました。道路の側溝の蓋などによく使われている鋼製の板材を格子状に溶接加工したもので、街中で見かけることも多い製品です。前職の設計事務所でも日よけや目隠しとしてFRPのグレーチングは使うことがあり、今回トップライトからの明かりを通す素材としてスチールグレーチングに思い至りました。エキスパンドメタルなどにすると特注になってしまいますが、グレーチングは既製品ですのでコストも抑えられます。半屋外のような開放感という今回のテーマに、素材の持つ良い意味でのラフさを活かしました。ただそのまま使うと工業製品っぽくなりすぎるので、住宅の雰囲気に溶け込むよう木や白い内装と組み合わせてデザインしています。
採用製品
無垢フローリング 複合フローリング|IOC (アイオーシー)
アイオーシー株式会社
村上康史建築設計事務所
村上康史
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:無垢 フォリーオーク
ナラ系で素材感がありつつ、比較的コストが抑えられるものを探しました。サンプルを取り寄せてみたところ質感も良く、無垢で質に対してコストパフォーマンスも良かったので採用しました。UV塗装で一般的なクリア塗装よりも傷がつきにくく扱いやすい点も魅力です。
採用製品
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村上康史

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