プロの住宅レシピ 空間を非日常に格上げする素材使いと照明の関係

株式会社アレス建築設計事務所
井上 匠人

天井は暗めに絞り落ち着いた雰囲気を生み出し、足元は明るく照らす。壁面には船舶照明が生む光のライン。

それぞれの素材に光が当たり、質感の違いと陰影を感じられる空間。

全体を一様に照らすのではなく、ポイントごとに必要な明かりを配置。

照明が当たり、カウンターの塗りの質感を楽しめる洗面スペース

煉瓦の肌の質感が光によって際立つ。

今回ご紹介しているのは、サウナ施設で店舗なのですが、素材と照明の使い方は住宅でも取り入れられる要素かと思います。
最近の住宅は一様に明るい傾向があり、私個人としては少し全体が明るすぎるのではないかな、と感じることがあります。もちろん暮らす方の好みにもよりますが、目は暗さに慣れますし、陰影やコントラストがあると空間は豊かなものになるかと思います。
住宅では店舗のように全体に表情のある素材を取り入れると重たくなり過ぎるので、玄関やリビングの一角など、ポイントを絞って、石や煉瓦、アイアン、塗りの質感が出る素材などを使い、そこに間接照明などで陰影を生み出すことで非日常的な雰囲気のある空間に格上げできるかと思います。
自然光でそういった空間をつくることができればベストですが、なかなかそうはいきません。ただ照明器具を使うことで色温度の調整やポイントを細かく絞るなど自然光ではできないことも可能になりますので、 好みの質感の素材と照明の関係性を住む方とともに見つけていければと思います。

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井上 匠人

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