プロの住宅レシピ 玄関から一続きになる住まい
山口益生 ・ 根本毅
三方の窓ごとに部屋が分かれていた3LDKのマンション。
それをどの場所にいてもこの三方の窓が感じられるよう環境の場所を置き直し、ワンルームのような空間で一続きとなる住まいへとリノベーションを行いました。
土足でも過ごせるよう、玄関から続くアトリエスペースは土間空間として計画。マンションに必要な遮音を行うため、下に遮音マットを敷き、その上にフレキシブルボードを採用することで、実現しています。玄関横の小上がりの和室は、靴を履く際の腰掛けにもなり、休憩スペースとしても機能しています。
マンション独特のRC構造の柱や梁は一枚の大きな壁面で包み、作り付けの収納やベンチなので隠し、天井は葭ベニヤ等の自然素材を用いて覆うことで、マンションらしさが消え、梁や柱が空間に圧迫感を与えません。さらに、それぞれの場所で天井や床の高さを変え、素材を巧みに使い分けることで、一続きの空間にいながらも籠り感のある場所と開けた場所が生まれ、心理的にも様々な居場所が生まれるよう工夫しています。
玄関からつながる空間は、子どもたちが走り回れるほどの大きな空間となりました。