プロの住宅レシピ
都市型住宅の光の感じ方
~現代の下町の暮らしを快適にするルーバー~
植本俊介
現在の都市環境の中で、下町エリアは土地の有効利用という観点から高容積の建物が密集して建てられる地域になっています。
その環境の中で暮らす住宅は、光や風の採りこみ方に工夫が必要です。プライバシーを守りながらもカーテンを閉め切って暮らすような生活ではなく、外光の変化を感じたり、風通しよく暮らせるような家づくりを行いました。
その中でも特徴的なのが、外部に面した窓に設置した木製の外付けルーバーです。目線を避けながらも風は通り、直射ではないですが自然光を感じられます。可動ですので、景色を見たいという時には開けて、外とつながることもできます。また、可動ルーバーに鍵はかかっていないので、消防の出入りなど緊急時の対応の要件も満たしています。木製なので経年である程度のメンテナンスが必要ですが、落下などはしないように安全対策は確実に行っています。
加えて、外部の視線が気にならない屋上に設けたトップライトやインナーテラスを通して上部からも光を採りんでいます。採りこんだ自然光をスケルトン階段で下階にも行き渡らせ、明るい室内空間を実現しました。