プロの住宅レシピ 心地よい外とのつながりと防火設備の調和

岩瀬英志建築設計事務所
岩瀬英志
タイル設置工法 フローリング

外壁の網入りガラスと上部の開口から自然光を採りこむテラス。内部の木製サッシが空間の雰囲気と調和している。/ 『本郷の家』

テラスを介して自然光が射し込む。外からの視線を避けながら外部とつながる。 / 『本郷の家』

外観。外壁が防火基準を満たしながら、快適な半屋外と内部の生活を生み出す。 / 『本郷の家』

バルコニーに防火シャッターやシャッターボックスが見えない外観正面。 / 『若林の家』

斜めの角度から見るとバルコニーの上部にシャッターが収納されている箇所のラインが微かに見える。サイドのレールも目立たない。 / 『若林の家』

戸建ての魅力の1つに、外とのつながり方を選択できるという点があります。
インテリアの材料を良質なものにすることはマンションなどでも可能ですが、半屋外空間を設けたり、室内外が心地よくつながる設計ができるというのは戸建てならではの贅沢です。
その一方で、都市部の住宅の外とのつながりを考える際に避けられないのが防火・準防火地域の規制への対応です。防火窓などは美観に影響を与えてしまうことも多く、デザイン的に美しく基準も満たした快適な開口部をいかに設けるかということが重要な課題です。
『本郷の家』では、スチールサッシと網入りガラスの窓を備えた外壁に防火壁としての役割を持たせました。その内側に半屋外空間のテラスを設け、テラスに面した室内には木製サッシを採用しています。外壁が防火基準を満たしてくれるので、室内側は網入りガラスを採用する必要がなくなり、テラスを介して自然光が降り注ぐインテリアと調和した大きな窓が設けられました。
また、『若林の家』ではバルコニー部分の防火シャッターを上部の天井面に収めて存在感を消しています。外観の印象が「シャッターのある家」になったり、室内からの視界でもノイズになるのを避けるためにこのような工夫を行いました。

PHOTO:Kai Nakamura

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採用されている製品

タイル| 株式会社アドヴァングループ
株式会社アドヴァングループ |ADVAN GROUP CO.,LTD.
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岩瀬英志
ここが私の評価ポイント!
■採用製品(工法):マルチフット工法

アドヴァンのマルチフット工法は厚い樹脂のサポート材でタイルをすのこのようにかさ上げして設置する施工方法です。水抜けの良さや断熱性、屋内床と高さを揃えて空間の連続性を生み出し外部空間をインテリア化できるのが魅力です。樹脂のサポート材と20mm厚のタイルの組み合わせなので、ウッドデッキのような腐食の心配も無く、置き床工法なので比較的施工も容易です。
採用製品
無垢フローリング 複合フローリング|IOC (アイオーシー)
アイオーシー株式会社
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ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ヨーロピアンオーク40クリアブラッシュド

iocのフローリングはよく採用しています。『本郷の家』では施主の方の希望でヨーロピアンオーク40クリアブラッシュド、塗装はオスモオイル仕上げを選択しました。木目をブラッシングして出したやや粗めの素材感がよいフローリングです。 樹種や仕上げのラインナップが豊富なので、ioc製品の中で施主の方の好みの物を選んでもらっても質とコストのバランスがよく重宝しています。
採用製品
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