プロの住宅レシピ 耐震性とエコを兼ね備えた、木組みの住宅
松井 郁夫
金物は一切使わず、昔の技法を使いながら耐震性を上げる「木組み」を採用した住まいです。
こちらの住まいでは、門型のフレームの木組みを採用しました。針が規則正しく綺麗に揃った「折置組」という伝統的な組み方です。柱と針、桁を三位一体にすることで強度を発揮し、非常に丈夫な住宅が実現します。
外壁には焼杉を採用しています。現在、太くなり過ぎた杉が消費されずに問題になっています。使われにくい15cm程の杉も中心部は柱にし、残りの部分は外観などに採用し使い切ります。大きくなった杉は節が多く見た目が気になりますが、焼杉にすることで節は目立ちにくくなり、むしろ味わい深い外観が得られます。また、焼杉は耐久性が高く、コストを抑えることができます。
使用する木材はお客様と一緒に山へ行き決めます。伐採から乾燥まで時間はかかりますが、素材から愛着を持っていただける家づくりを目指しています。さらに、完成後はお客様と共に植林を行い、家を通して自然循環を感じていただいています。
昔の手法と、昔の人々が自然と行っていたエコな考えを引き継いだ住まいです。