プロの住宅レシピ 孤立はせずに効率的 独立型キッチン
青木昌則
家族の暮らし方に合わせた独立型キッチンです。
最近はオープンタイプのキッチンも多いですが、作業中は一人のほうが落ち着くという方もいますし、収納量という点では壁面の多い独立型キッチンに軍配が上がります。また、作業後の洗い物などが残っているシンクが食事中に視界に入らないという点も大きな魅力だと考えています。
『東町の家』では独立型の良さに加え、ダイニングにつながる小窓を設けることで家族の気配を感じられ孤立しないキッチンをつくりました。
小窓の高さは、手元やシンクを隠しながらも家族の顔が見られる少し高めの位置になっています。そして窓越しに食器のやりとりができるので、完全に閉じたキッチンのように大回りはせずに効率的に配膳や片付けが行えます。全体の面積の都合で大きなスペースは取れませんが、通路幅を抑えて、収納の扉を引き戸にするなど工夫して、動きやすく収納量も十分な使い勝手の良いキッチンとなりました。
PHOTO: 山下茂春