プロの住宅レシピ 弱点をチャームポイントに おうちの空間に色を付ける階段

CEN ARCHI
山口千乃
フローリング

家の真ん中に存在する階段。空間を分断する邪魔なものではなく、ポコッと真ん中にかわいいものが挿入されたようなチャームポイントに。

レンジフード

奥様が好きな「おうちの形」をこの『ouchi house』のテーマとして、開口部分やインテリアにふんだん取り入れている。

(左写真)建物外観。おうちの絵を描いてと言われたときにイメージするような形の家。
(右写真)おうち型の開口を通して階段からキッチン・玄関方向を臨む。

階段はトイレへのアクセス経路にもなっている。おうち型の開口の中はトイレのおうち。

リビングからダイニング方向を臨む。時計やゴミ箱もおうち型。ゴミ箱はゴミのおうち。
テレビを置かないリビングの壁面にはプロジェクター対応のクロスを使用。

『ouchi house』は縦長の敷地に建つ、築古の戸建てリノベーションです。外観は「おうちの絵を描いて」と言われてイメージする形そのもののようなプロポーションでした。
リノベーションのプランをたてる中で、ポイントとなったのが階段の位置です。家の真ん中に位置する階段は、ともすれば空間を分断する邪魔な存在として欠点になってしまいます。しかしシンボリックなデザインにすることでこの家の魅力に変えてしまおうと考えました。かわいいものが家の真ん中にポコッと挿入されたように現れて、その階段や、階段下を介して別の空間に行ける、そんな存在になるように意図しました。
階段に採用したブルーグレーは施主こだわりの選択です。また、階段の開口部分は外観ともイメージがつながる『おうち型』にしました。目線が抜けるだけでなく、子供たちが顔をのぞかせたり、好きなキャラクターを飾ったりと楽しめます。もともと奥様がお好きな形だったので時計やゴミ箱などインテリアもおうち型で統一されました。
このような遊び心も加えて階段がただの空間を分断する移動のための場所ではなく、居場所や遊び場としての存在意義も持ちました。空間に1つの用途だけでなく他の魅力を加えることで楽しみが増え、生活の豊かさにつながると考えています。

PHOTO:Yohei Sasakura

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採用されている製品

無垢フローリング 複合フローリング|IOC (アイオーシー)
アイオーシー株式会社
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山口千乃
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:フォリーオークセレクト

『ouchi house』ではiocさんのフローリングを採用しました。施主の方から明るめで、白っぽくはないものというご要望があり、オークと樺が候補の樹種になりました。この住まいの階段には施主こだわりのブルーグレーを採用していて、キッチン回りにはアイアンのブラックがあります。これらと調和するものを考え、最終的にオークを選択しました。Iocさんは樹種も豊富なのでこのように施主の方の好みも反映しやすいです。また、サンプルなどもすぐに持ってきてくださったり、「こういうものはないですか?」というようなイメージを伝えての相談にも応じて下さるので話が早く、対応面でも信頼しています。
採用製品
キッチン|サンワカンパニー
株式会社サンワカンパニー|sanwacompany ltd.
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山口千乃
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ミニマルプラス(マットブラック)

スッキリしていてコンパクトなレンジフードなので、良く採用しています。ちなみに自邸でも採用しました。『ouchi house』のキッチンはアイアンのブラックと木の吊戸棚なので、マッチするマットブラックを選択しました。
採用製品
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山口千乃

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