プロの住宅レシピ 暮らし方にあわせて空間を変化させる建具

建築デザイン研究所
山下和哉

開閉で空間の役割を変化させる建具。上吊りレールで吊り下げて下レールは無し。引戸が通る時は床面のガイドピンがマグネット吸着により浮上して振れ止めとなる。床にレールがないので空間を邪魔しない。

塗り壁材

建具を開けば廊下までリビングとして来客時にも広々使える。建具を閉めれば冷暖房効率がアップ。

廊下、リビング、ウッドデッキ、浴室と内と外がつながり、広々とした空間で休日を過ごせる。

照明

建具を開いてリビングと一体化した廊下から庭方向を臨む。平日のミニマムな動線の廊下は休日には別の役割を果たす。

建具を開くとデッキとつながる開放的な浴室。休日はのんびりとくつろぐ場となる。

住み心地の良い家というのはそれぞれの生活によって異なります。家族構成や職業よっても違いますし、同じ人でもライフステージによって求めるものが変わっていきます。
近年は生活の仕方も多様化しており、従来の一般的とされてきた「間取りの型」を取り払ったプランが暮らしやすさにつながることも増えています。
今回は、働くひとり暮らしの男性の生活にフィットさせた住宅の例をあげていきます。
施主は平日は仕事で忙しく、休日は外出せず自宅で趣味を楽しむという生活で、平日と休日で求められる空間が違っていました。平日は帰宅後、寝室へ直行できる玄関からのスムーズな動線が必要、逆に休日は玄関への動線は必要なく、のんびり過ごせるリビングやウッドデッキの大きな空間が必要でした。そこで、壁で分けた固定的な間取りではなく、建具でフレキシブルに空間を変化させられるプランとしています。平日は建具を閉じて玄関と寝室をつなぐ廊下となる空間は、休日に建具を開けると広々としたリビングの一部になります。他には浴室も平日はサッと入浴できるシャワースペース、休日は建具を開け放ってデッキとつながる開放的な浴室となるように設計しました。
住まい手の暮らしにあわせて変化する自由な住宅です。

PHOTO:©ToLoLo studio

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採用されている製品

ジョリパット|アイカ工業
アイカ工業株式会社
建築デザイン研究所
山下和哉
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ジョリパッド ミーティア

外壁と内壁を同一の材料で仕上げ、一体感を出しながら、 インテリアの素材として対応できる材料を選択しました。
採用製品
照明|flame-フレイム-
flame
建築デザイン研究所
山下和哉
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:decolamp-L

シルエットがすっきり見えるペンダントライトです。リビングとダイニングの中間付近に1つ設置することで、緩やかな仕切り効果と空間の変化をねらいました。
採用製品
建築デザイン研究所
山下和哉

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