プロの住宅レシピ 暮らしを豊かにする室内植栽スペース
『本と土間の家』では室内に植栽スペースを設けました。 施主の方からは自然とつながるような暮らしをしたいという要望がありました。しかしスペース的に、庭をとることは難しく、自然を感じられるような室内空間を設計することとしました。玄関からつながる土間スペースに本物の木々を植え、その南側に大きな開口部を設けています。そこから入る風は木を伝って清々しい空気を運んできます。ちなみに外には隣家の畑があり、借景としてより自然との繋がりを感じさせてくれます。植栽スペース横の踏み石は、窓の外まで繋げて空間の連続性が生まれるように意図しました。 建具もよりなじませるため木で造作し、断熱ブラインドをつけて性能面をカバーしています。このように庭を設けるのが難しい場合でも、自然を感じる空間を持つことは可能です。理解しておくべき点としては、コンクリートの鉢のような形で土間に植栽スペースを設けるので、水抜きの穴などから虫が入ってくることはあるということです。そういった手入れも含め本物の木々の存在を楽しめる方にはおすすめできるアイデアです。