プロの住宅レシピ 家の内外とつながる水回り
早田 雄次郎
私は家を設計する際に水回りを南側に寄せるケースが多いです。昔の設計に見られるような暗くてジメジメした狭い場所というイメージを払拭したいと考えており、孤立せず生活の動線の中にある場所として設計しています。
いくつか例を挙げると『遠藤の家』では、敷地の南側に設けた中庭に面して水回りを設計しました。中庭が光だまりとなり、水回りやリビングに自然光が差し込みます。洗濯してそのままデッキに干しに出ることができる洗濯動線も意識しました。
『新河岸の家』も浴室の手前に設けた洗濯機置き場から浴室を通り一直線にデッキに出られるようにしています。さらにデッキを介してダイニングにもつながり、家の中の回遊動線に水周りも採りこんで内と外につながった場になっています。
『片瀬の家』は施主の趣味であるサーフィンからの帰宅時に砂などを室内に持ち込まずそのまま浴室に入れるよう、デッキと水回りがつながっています。
少し違う角度ですと『軽井沢の家』は洗面脱衣所を独立した空間ではなく廊下の一角に設け、屋内で寒暖差が生まれないようにしました。
このようにそれぞれの施主の方の生活にあわせて孤立せず明るく使い勝手の良い水回りを設計しています。