プロの住宅レシピ 美観と機能性 オリジナル建具のバリエーション

堺武治建築事務所
堺 武治

日中の自然光を通しながら、目線を遮るオリジナルの洋風障子。カーテンなしですっきり暮らせる。

夜間の様子。ポリカーボネート(ツインカーボ)に差し込まれた木の質感が室内空間と調和する。

洋風障子アップ。ポリカーボネート素材に差し込まれた木材の様子が見える。

洋風障子は使用しない時は引き込みで完全に収納できる。カーテンやブラインドに比べ掃除やメンテナンスの負担も軽減される。

(左写真)物干し場に設けた鍵を掛けつつ通風が確保できる木製雨戸。/ 『豊崎の家』
(右写真)美観を保ちながら窓を守る木製雨戸。周囲を緑に囲まれ、台風も通る地域なので雨戸は必須。/ 『西原村の家』

住宅を設計する際には、建具も造作で作成することが多く、良く採用しているのが洋風障子、そして木製雨戸のバリエーションです。
洋風障子は、施主の方の「カーテンやロールスクリーンは埃がたまったり劣化したりするのでつけたくない」というご要望から生まれました。障子を取り付けるというのが一般的な解決法かと思いますが、それですと家全体のテイストに対して和風になり過ぎるため、デザインを考えてご提案したのが、ポリカーボネートを使った洋風障子です。
ツインカーボという2枚のポリカーボネートが中空状になった素材があるのですが、その中空部分1つ置きに細いスティック状の木材を差し込んで作成しています。内装に併せて彩色した木材を間隔を開けて差し込むことで素材の持つ透過性と意匠性を両立させました。
また、写真5枚目のような木製雨戸も作成することが多いです。既製のアルミ雨戸やシャッターは閉じると真っ暗になってしまい殺風景な印象ですが、木製のルーバーを丸くくり抜いた雨戸はガラスを守りながら光を通し、柔らかな表情を生み出します。バリエーションとして、メッシュを張って網戸の役割を持たせたものや、洗濯物干場に設置して通風と防犯を両立させたものなどもあります。

PHOTO:Yousuke Harigane

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