■ LWH002 都心に住むための小さな家
以前からこんな事を漠と考えていました。
趣味の車やバイクをもっと気軽に楽しめたら楽しい人生だろう。
(現在は自宅から少し離れた駐車場です。屋根はありますが吹きさらし)
倉庫を改装して住んだら楽しいだろう。
こてこてした仕掛けや装飾はいらない。
機能むき出しの男らしい空間にざっくりと住めたらいい。
こまごました仕切りや「○○室」などもいらない。
1フロアは一つの箱としてドカンとあればいい。
床暖房も浴室TVもジェットバスも
24時間換気もオール電化もエコキュートもいらない。
(余計なコストは掛けたくない)
そういうのが何もない、外見も内装も
素うどんのような渋い家にあっさりと住みたい。
借金は出来るだけしたくない。
と、施主のMさんから最初にいただいたメールに書かれてありました。建売住宅を見たり、実際に倉庫物件を探したりされたのだけど、現実に折り合うものがなく、そんな中、私の提案する 企画住宅LWH に行きあたったとの事。
Mさんの考えは、LWHのコンセプト そのものでした。
さらに・・
毎日帰宅は深夜になることもあり、物件は利便性第一です。
なので土地の広さとしては必然的に10-15坪程度がせいぜいとなります。
何がどうなるか分からないご時世で定年後まで引きずるようなローンは組みたくありません。
趣味の車とバイクをしっかり雨風から守るガレージを1Fに設ける事だけは譲れない点ですが、その他は望みません。
細かい部屋割り、一切不要です。
壁も天井も、構造物がむき出しになっているので全く問題ありません。
(寧ろその方がカッコいい)。
という事が、Mさんの家の条件でした。そんなMさんが捜された土地に、都内の崖地がありました。崖地では、擁壁の問題があるので、そこにかなりの金額が掛ってしまう事をご説明して、一度は断念され、さらに土地探しをされていたのですが、「やっぱりあの土地が忘れられない」と購入に至り、設計が始まりました。当初 LWHのプラン で検討していました。その時点でガレージハウスという条件は満たされないのですが、外置きで市販のシェルターを使う事に。しかし、Mさんの車が予想以上に大きく、家の形状を変えざるを得ませんでした。
LWHの基本の形は変わっても、この家に対する考えは、LWHそのもの。それでも、企画住宅という言葉でイメージする画一なものではなく、Mさんのための、Mさんらしい家になりました。